西表島トレッキング最難関と言われる、マヤグスクの滝を自力でトレッキングしてきました。
現地の人には自力でのトレッキングは危険なため推奨しておらず、ガイドを付けてくださいと言われるほど危険かつ難関ですが、ツアーを利用するとなるとツアー代が約25,000円と高額なため自力で行くことにしました。
壮絶なマヤグスクの滝トレッキングをレポートします。
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マヤグスクの滝が難関かつ危険と言われる理由
登山やトレッキングには危険はつきもの。
何が危険かと事前に知っておくことで、遭難やケガのリスクの対策することができます。
ヤマグスクの滝が危険な理由
- 遊覧船で途中まで行くため時間制限がある
- マヤグスクの滝まで圏外のため救助が呼べない
- ヤマビルがいる
- 泥でぬかるんだ道や川の中を歩かなければならない
- 道がわかりにくく、滝までたどり着けない
一番の理由は、時間制限があることです。
遊覧船の始発は9:00で帰りの時間は16:00です。
遊覧船の降り場である軍艦岩からマヤグスクの滝まで片道約2時間半~3時間かかります。往復の移動距離だけで6時間は見て置きましょう。
滝を眺めたり休憩時間を含めるとマヤグスクの滝トレッキングは時間との戦いになります。万が一、道迷いやケガした時のリスクを考えるとこの時間制限はかなりのプレッシャーになりました。
その上、西表島のジャングル内は風が入らず体力の消耗も激しいのでペース配分も考えなければなりません。
自力で行く際は、事前に登山ルートやタイムスケジュールなどしっかりと計画を立てていく必要があります。
もちろん、登山装備もしっかりそろえていきましょう。
※マヤグスクの滝は単独の入山は禁止となっています。
マヤグスクの滝に行った時の服装と装備
服装
- 速乾性Tシャツ
- 登山用ハーフパンツ
- トレッキング用タイツ
- ハイソックス
- トレッキングシューズ
- タオル
西表島に関わらず、トレッキングの服装の基本は、長袖長ズボンが望ましいですが、厚さとの戦いでもあったので上は半袖で行きました。
下は、全て覆って行くことをおすすめします。ヤマグスクの滝の道中には”ヤマビル”がいます。気付かないうちに何匹ものヒルが靴やズボンにくっついていました。私は、登山用のタイツを履いていたので1ヵ所ヒルに吸われただけで済みましたが、素足だとかなり吸われていたと思います。
ヤマグスクの滝への道は川の中や泥の中も歩くのでトレッキングシューズやスニーカーでは100%濡れます。
じゃあサンダルは!?と思うかもしれませんが、長時間ペース良く歩かなければならいことを考えるとサンダルはおすすめしません。
- 滑りやすい場所がたくさんある
- 泥の中で足を取られる場所もある
- ヒルにすぐに狙われる
- 岩場などで足をケガするリスクもある
一番オススメが”サワタビ”です。
ガイドやツアーの人はサワタビを使用していました。
わたしは、サワタビを持っていなかったので濡れるの覚悟でトレッキングシューズで行きました。
予想通り、序盤で靴の中まで濡れましたが結果的に、トレッキングシューズにして良かったと思いました。
持ち物
- 水分2ℓ
- 昼食(おにぎり、パン)
- 補食(おかし)
- 塩(ヒル対策)
ペース良く進みたいのでなるべく荷物は少なめにしました。
前回のピナイサーラの滝トレッキングの反省で水分は多めに持っていきましたが、全部飲み切りました。
マヤグスクの滝までのルート
行き
浦内川遊覧船乗り場(9:00) 遊覧船降り場(軍艦岩)(9:20) マリドゥの滝(9:50) カンピレーの滝(10:00 横断道路入口(10:25) 第二山小屋跡(11:30) イタチキ川出会(11:45 マヤグスクの滝(12:50)
帰り
マヤグスクの滝(13:00) イタチキ川出会(13:50) 第二山小屋跡(14:00) 横断道路入口(14:55) カンピレーの滝(15:15 遊覧船降り場(軍艦岩)(15:55)
わたしたちは、事前にルートなどしっかり確認し、道迷いなどはありませんでしたが、所々この道があっているか疑問になる道もありました。
カンピレーの滝までは、遊歩道が整備されているのでペース良く進んで時間をまくことができました。
しかし、イタチキ川出会からマヤグスクの滝まで30分で行ける予定でしたが、川の中を歩かなければならないうえ、前日からの雨で増水しており、1時間かかってしまいました。
さらにイタチキ川出会付近でヤマヒルの襲撃に。
他のメンバーも含め、足元に何匹ものヒルがついていました。
本来なら12時過ぎにヤマグスクの滝に到着し、休憩しながら滝の上を登る予定でしたが、13時にはヤマグスクの滝を出ないと帰りの遊覧船に間にあわないため、滝を少し眺めるだけで休憩を取る間もなく戻りました。
イタチキ川の横断で思った以上に体力が消耗し、なかなかペースを上げることができず、遊覧船出発5分前に軍艦岩に到着しました。
過去一タイトでハードなトレッキングでした。
時間的に厳しそうになり、一度は引き返そうか悩みましたが、ギリギリまで粘ることに。
結果的に、マヤグスクの滝まで辿り着くことができましたが、引き返す勇気も必要と実感しました。
浦内川遊覧船までの行き方と入山手続き
「上原港」から県道215号沿い。「浦内川遊覧船乗場」の看板あり。
車で約10分。
または、上原港から安永観光のシャトルバスに乗車して浦内川遊覧船乗り場まで行く方法もあります。
マヤグスクの滝の入山手続き

遊覧船乗り場に到着したら、係員に今回の目的を伝えます。
わたしたちは、マヤグスクの滝に自力で行くことを伝え、入山届を記入しました。
遊覧船の乗車券もここで購入。(往復:2,200円)
- 氏名・住所・電話番号と簡単なルートの記入
- 戻りの時間
- 最寄りの駐在所と森林組合に電話で連絡
係員が教えてくれるのでその手順で行ってください。
事前に入山の申請をしている場合はそのことを伝えてください。
入山前に駐在所と森林組合に「これからマヤグスクの滝に行きます。戻り時間は○○時の予定です。」と連絡を入れます。
戻ってきた際にも「戻りました。」と一報連絡を入れる必要があります。
一般的な登山の場合は入山届を出すだけですが、マヤグスクの滝は電話で連絡しなければなりません。
それだけ自力での入山はリスクがあると言うことです。

緊張感がさらに高まる中、遊覧船出向です。

遊覧船がどんどんジャングルの中を走って行きます。
本来ならゆっくり走らせるそうだが、今回はわたしたちのグループともうひとグループ(ガイド付き)もマヤグスクの滝が目的地だったので船を飛ばしてくれました。

遊覧船の景色を楽しみつつ、約20分程で船乗り場に到着。
軍艦岩も見たかったのですが、到着してすぐにマヤグスクの滝に向かったのでどれが軍艦岩を見るのを忘れてしまいました。
出発の前に係員から
決して無理をしない、ダメだと思ったら引き返してくださいと最終確認的なことを言われてのマヤグスクの滝出発です。
ガイド付きのグループは早々に行ってしまいました。
マヤグスクの滝までの道のり
マヤグスクの滝まで片道2時間半の予定です。
まずは道の途中にあるマリドゥの滝とカンピレーの滝を目指します。

この二つの滝を目的に遊覧船を利用する人も多いのでカンピレーの滝までは遊歩道が整備されています。
前日の雨でぬかるんでいる場所もありましたが、歩きやすかったです。

道中に名もなき滝や、人の手がはいっていないありのままの自然を眺めながら足早に遊歩道を進みました。

マリドゥの滝に向かう遊歩道はされに整備されていました。

▲マリドゥの滝
日本の滝百選にも選ばれています。
マリドゥの滝はマヤグスクの滝の方面の道を5分程外れてしまいますが、せっかくなので立ち寄りました。
滞在時間わずか5分。
一旦来た道を戻って次の目的地カンピレーの滝に向かいます。
もともと悪路ですが、連日の雨でさらに歩きにくい道になっていました。
▲カンピレーの滝
思っていたより、早くカンピレーの滝に到着しました。
滝ってよりは川のイメージでした。
前情報でカンピレーの滝まで遊歩道が整備されており、迷わずにいけて、時間も巻くことができたと思います。
しかし、ここからがマヤグスクの滝の本番と言ってもいいでしょう。
次は「横断道入口」の看板を目指して進みます。
しばらくカンピレーの滝の川沿いを上ります。
岩の道なのでペース良く行こうと思いましたが、滑りやすい個所が多く、自分で道を選んで進むようだったので一歩一歩慎重に進みました。
ハートの形のした岩があるらしいけどこの岩かな!?
時間を気にしつつも西表トレッキングも楽しまなければ!!
草木が生い茂っていた場所に「横断道入口」の看板を発見!
カンピレーの滝から25分くらい歩いて到着しました。
川沿いを歩いているとき、「道があっているのか、途中で看板を見落としてないか。」など不安を抱えながら進んでいたのでホッと一安心。
ここから先は西表トレッキング最難関コースです。
横断道入口に入っていきなりの悪路です。
この時は、この先さらにいくつもの難所があること知りませんでした。
この先は、道かどうかもわかりにく道も何ヵ所もあるので”ピンクのテープ”を探しながら進んでいきます。
横断道の約400m間隔で上記の看板があります。
1番から順番に番号がふってあるので、この先はこの看板を目標に進んでいきましょう。
道中に倒木の道を通ったり、
膝くらいまで泥が沈む道を通ったり、
ジャングルの中に人工物があるとホッとします。
ホッとしたのも束の間でした。
川も横断します。
バリエーション豊富と言ったら楽しいトレッキングですが、難関続きで体力は次第に奪われていきました。
横断道入口から続いた看板も7番まで来ました。
マヤグスクの滝を方面へは、7番からイタチキ川の方に向かいます。
イタチキ川出会まで来ればマヤグスクの滝まで30分です。
ゴールが見えたと思っていましたがここからが本当に過酷な道でした。
この先、道がない!?
高いお金を払ってガイドを使う理由もこの辺りでわかりました。
この先は、川の中を歩いてマヤグスクの滝に向かいます。
普段なら、気を付ければ歩ける水量ですが、この日は台風明けだったので流れが早い。
危険かなと思いましたが、一歩一歩気を付ければ進める。
深さも膝くらいだったのでマヤグスクの滝に向かいました。

急に深くなる場所がばいか、滑りないかと足元が見えない不安を抱えながら進みます。
到着予定の時間が迫る中、思ったように進むことができない葛藤の道のりです。

マヤグスクの滝へはもう少しですが、さらに川の流れは速くなり進むのをためらってしまいます。
▲マヤグスクの滝
途中で諦めて引き返すか悩みましたが、ついにマヤグスクの滝に到着。
予定していた到着時間より45分過ぎました。本来なら滝を見ながら昼食を取り、滝上まで登る予定でしたが、時間もなく滝の水量も多かったので滝上は断念。
わずか滝への滞在時間は5分で引き返しました。
この時、雨がさらに雨が強くなり、川の水も増水。
道のりが厳しくなる中、帰りの船のタイムリミットも迫る中の下山は大変でした。
ペースを上げたいが行きの疲労も蓄積しなかなかペースが上がらない。
ギリギリ帰りの船に間にあいましたが、一歩間違えたら乗り遅れるところでした。
まとめ
自力でのマヤグスクの滝トレッキングは今までのトレッキングでトップクラスにハードでした。川の流れが少なければそこまで苦労することなかったかもしれませんがその時その時の判断が命取りになりえないトレッキングでした。
帰ってきたときは、「生きててよかった」としか思えず、達成感を味わえたのは少し時間がかかりました。
自力でのトレッキングに少しでも不安のある人は高額ですがツアーを使って行くことを推奨します。
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